一般的な仏式葬儀のマナー(山形編)
葬儀のマナー
「故人を思いやる心」
「遺族の気持ちに添った対応と行動」
1.家族の訃報の連絡
- 家族が亡くなった場合、ご臨終に立ち会えなかった家族にお知らせする。
- 同時に近い親族・ご縁の深い方にもお知らせする。
- 最近、自宅以外(病院など)で亡くなる方が多いため、御遺体をどこへ安置するかを決定し、葬儀社へ連絡し、搬送を依頼する。
- 安置した後、喪主を決め葬儀を行う菩提寺への連絡をする。この時、葬儀まで相談にのってくれる人を決めておく。(山形の場合、火葬日時を予約し、決めておく。)
寺院への連絡は午後10時以降は翌朝にすることが多い。 - 寺院様が来られて枕経を終えた後、葬儀までの日程・葬儀場所を決定する。
- その後、友人や知人・ご近所へ連絡する。この場合葬儀までの日程・葬儀場所及び菩提寺の宗旨をお知らせいたします。
- 家族並びに近い親族に知らせる例文
- 「○○町の○○です。夜分遅くすみません。○○が病院で○時に亡くなりましたのでお知らせいたします。今、病院におりますが、○時に自宅へ戻る※予定です。」
※又は安置する場所へ移動
- 友人・知人に知らせる例文
- 「○○でした。本日○時に○○が亡くなりましたので、お知らせいたします。生前中は、大変お世話になりありがとうございました。今自宅(安置場所)におります。葬儀までの日程は、○日○時から入棺、○日○時から火葬、○日○時○○(葬儀場所)にて仏式により葬儀を執り行います。」
2.弔問のマナー
- ◎親族の立場の場合
- 知らせを受けたら、お悔やみを述べ、急ぎ駆けつけ今後について、お手伝いが必要か確認する。
その際の服装は、平服で構いません。御香典は持参しない。
※平服というのは、ジーパンや汚れた服を除き、いつも着ている服装ですが、派手なもの・アクセサリーは外して化粧は薄くしてください。
- ◎知人・友人の立場の場合
- お知らせをいただいたら、先様に弔意を表し、お伺いしていいか確認する。
到着後焼香し遺族に挨拶をするとともに、葬儀時にお手伝いを必要としているか確認し、依頼されたら、都合のつく場合は、進んで協力する。
長居は避けるように。服装は平服で伺う。
「この度は、ご愁傷様です。何かお手伝いすることがあれば何なりと申しつけください。」
- 以下の言葉は、右の言葉に言い換えて述べてください(弔意・弔辞の際)
-
- 死ぬ・死亡・死去 ⇒ ご逝去
- 生きている頃 ⇒ お元気な頃
- 生きる・生存 ⇒ ご生前
- 自殺・急死など ⇒ 急逝・突然のこと
- 重ね言葉は使用しない
- 例 重ね重ね・くれぐれ・いよいよ・重ねて・再び・ますます・次々・重々・続く・追って
3.葬儀社との打ち合わせ
- ご自分(喪主)の意向を打ち合わせの前におおよその内容を決めておく。
- 相談にのってもらえる方から、その地区での決まり事等のアドバイスをいただく。
- 故人が書いたエンディングノートがあれば、それに添ってお話しすることが可能となりますので、是非活用されるように望みます。
- 葬儀の場合、結婚式などと違い日程的に厳しいので、早急にお決めいただかなくてはなりません。ゆっくり考えてから決めますでは、葬儀に間に合いません。
4.香典のマナー
香典の表書きは、49日法要の前は「御霊前」、49日法要後は「御佛前」と書きます。
また、香典袋へは、薄墨で書くことをお勧めいたします。
- 内袋裏面
- 内袋表面
- 水引は結び切りのものを
-
内袋裏面には、住所・氏名を縦書きで記入します。(仕事上の場合は社名・肩書きも)
-
内袋表面には、金額を縦書きで記入いたします。この場合下の漢数字を用います。
一 → 壱・二 → 弐・三 → 参・千 → 阡・万 → 萬
例 → 金壱萬円 (也は書かない) -
浄土真宗は「往生促成仏」の考えから葬儀への香典へも「御佛前」を用います。
(西本願寺) -
代理参列の場合は、名前の後に「代」と小さく書き添えます。夫の代理で妻が参列の場合は「内」と書きます。(山形ではあまり書かないと思います。)
-
およその香典の金額は、〔亡くなった人との関係で決める〕〔年齢に応じ変えます〕〔1、3、5の奇数が多い〕
- 両親 → 参萬円~壱拾萬円
- 兄弟 → 参萬円~五萬円
- 祖父母 → 壱萬円~五萬円
- 親戚 → 五阡円~参萬円
- 知人 → 五阡円~壱萬円
- 近所 → 参阡円~壱萬円
-
お札は、内袋に入れる場合、お札の顔が描いてある方を下にして、入れます。
-
又、折り目のない新札は用いません。もし無ければ、1、2度折り目をつけてから入れてください。
-
更に、しわくちゃなお札・汚れたお札は避けてください。お札は向きをそろえて入れてください。
-
のし袋は、帛紗に包んで持参し、帛紗から取り出して香典袋のみ相手が読めるように出します。
挨拶例
「この度は、ご愁傷様です。心ばかりですが、どうぞ御霊前へお供えください。」
- 香典の表書き 参考
- 仏式の場合御霊前・御香典・御香料、浄土真宗は御佛前
- 新式の場合御玉串料・御榊料
- キリスト教の場合御花料
5.葬儀に参列するマナー
-
基本的には、黒のフォーマルを着用いたします。
男性は、白のワイシャツに無地の黒ネクタイを着用し、靴は金具のない黒色を選んでください。
女性は肌の露出の少ない黒のワンピースかスーツ、靴とストッキングは黒がベストです。
アクセサリーは、結婚指輪以外は厳禁ですが、真珠のネックレスは「涙の象徴」と言われることもあり、身につけてもいいと言われております。真珠の色は、白・黒・グレーを選んでください。学生の場合は、制服がある学校では、制服が正装です。
大学生はスーツで問題ありません。
小学生はなるべく地味目な服装に。
-
数珠は房を下にして常に左手に持ち、手から離して椅子や畳においてはいけません。
合掌の時は親指を外し両手に掛けます。
6.焼香の作法
- 立礼焼香
- 周りの方に軽く会釈して起立。
焼香台の数歩手前で僧侶と遺族に一礼。
焼香台の一歩手前で遺影に合掌・一礼。
数珠を左手に持ち、香を右手の親指・人差し指・中指の3本でつまみ香炉へ入れる。
※作法は宗旨によって異なりますので、次頁表を参考にしてください。
- 座礼焼香
- 基本的には、立礼焼香と同じです。
焼香の際は、出来れば正座して行います。
- 廻し焼香
- 香炉が自分のところへ回ってきたら、いただいた方に軽く会釈して自分の前へ置く。
遺影に向かって一礼。
お焼香。
再び合掌。
香炉を隣へまわす。
焼香する場合、焼香の方法を特に指定される場合は除きますが、ご自分の宗旨の作法で焼香しても構いません。
浄土真宗本願寺派
- 回数
- 1回
- 押しいただくか否か
- 押しいただかない
真宗大谷派
- 回数
- 2回
- 押しいただくか否か
- 押しいただかない
浄土宗
- 回数
- 1~3回
- 押しいただくか否か
- 押しいただく
真言宗
- 回数
- 3回
- 押しいただくか否か
- 最初の1回のみ押しいただく
日蓮宗
- 回数
- 1~3回
- 押しいただくか否か
- 1回か3回押しいただく
曹洞宗
- 回数
- 2回
- 押しいただくか否か
- 1~2回押しいただく
天台宗
- 回数
- 3回が主流
- 押しいただくか否か
- 特に決まりはない
臨済宗
- 回数
- 1回が主流
- 押しいただくか否か
- 特に決まりはない
※上記の回数は抹香の場合です。
※押しいただくとは、抹香をつまんで額へ近づけ目の位置より高い位置へとかかげる行為のことを言います。